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BLACK OUT

このブログは、主に女の子のピンチ、失神をテーマにしたイラストを細々描き連ねていくブログです。それらに抵抗のある方は閲覧をご遠慮ください。※このサイトでは「世界でいちばん強くなりたい!」を勝手に応援しています。

夕闇に陰る

この間のソフィーティアの磔絵ですが、
加筆していくうち状況背景もぼんやり浮かんできたので、SSにしてみました。
せっかくなので加筆絵と一緒に公開しておきます。
以下駄文注意。

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かつては神託を受けた戦士として剣を振るいながら、
一度は邪剣の徒として戦う事を余儀なくされたソフィーティア。

そのくびきから解放された今でも、
彼女は己の罪を購う道を探し求めていた。

そんな彼女のもとに、
アテネの一地方を収める領主が邪剣を手に入れたらしいと言う情報が入る。
今度こそ自らの手で邪剣を葬ろうと決意する彼女は、一人邪剣討伐の旅に出た。

彼の地は邪剣の瘴気に包まれ、
領内に住む人々は一部を除いてほとんどの者がイヴィルと化した魔の地となっていた。
かつての輝きを取り戻した聖剣の加護のもと、
ソフィーティアは魔の地と化した街を一人進む。
この地を救うため、そして己の贖罪のため邪剣を破壊する事を新たに決意する。

邪剣に魅入られた領主は敏感に聖戦士の接近を感じ取っていた。
邪剣の破片を埋め込まれイヴィルと化した兵達をソフィーティアの下に差し向ける。

イヴィル化した兵士達から襲撃を受けるソフィーティアは、
神託を授かった剣で次々と兵達を斃していく。
「貴方達に罪は無いけれど・・ごめんなさい」
邪剣の力によって意志を無くした者達に罪は無くとも、先に進む為には刃にかけなければならない。

兵達ではソフィーティアを止められない事を悟った領主は、
自らの手でソフィーティアを倒すべくとうとう姿を露わす。

蛇腹剣に姿を変えた邪剣・ソウルエッジを携えた領主は人智を超える力を手に入れていた。
音も無くソフィーティアの間合いに侵入すると、まずは一撃の下にソフィーティアの盾を弾き飛ばす。

「ああっ!?」
想像を絶する力。
驚愕する間に、蛇の如く伸びる邪剣の刃はソフィーティアの周囲を取り囲んでいた。
鎌首をもたげ、獲物を嬲る様にソフィーティアの周りを巡る邪剣の刃。
そしていよいよ蛇の如き刃がソフィーティアの身体に絡みつき、
聖女の如き白い衣に包まれた美しい肢体に幾度も食い込んだ。

「きゃあーッ!!」
引き裂かれた白い布切れ、そして赤い鮮血が花のように舞う。
盾を失い、身体を庇う事が出来ないソフィーティアは成すすべなく身体を切り刻まれた。
肌に幾つも切り傷が刻まれ、腕や脛に取り付けた防具も引き剥がされ柔肌が剥き出しにされていく。

領主が蛇腹剣を一旦納めると、
傷だらけになったソフィーティアは崩れ落ちるように膝をついて倒れた。
何とか上体を起こすが、傷付いた身体は四つん這いのまま動かない。

「ふふ、なかなか美しい女だな。今ここで殺すのは惜しい・・」
輝く金髪と均整のとれた身体を持つソフィーティアに興味を覚えたらしい領主。
血の付いた剣先をぺロリと舐めると、邪悪な笑みを口元に湛えた。

「くっ・・まだよ!」
痛む身体を無理矢理に起こし、ソフィーティアは折れぬ戦意を見せる。
剣を握る右手に力を込め、身を沈めつつ鋭いステップで領主の間合いに潜り込もうとする。
蛇腹剣は真っ直ぐに伸びてソフィーティアを貫こうとしたが、
ソフィーティアはそれを潜る様に更に姿勢を低く沈めて刃をやり過ごした。

「ハアッ!!」
鋭く突き出されたソフィーティアの剣が、領主の胸を貫いた。
(これで決まった・・!)
即死は免れぬ左胸への渾身の一撃。ソフィーティアは自分の勝利を確信していた。

「・・無駄だ」
剣を胸元に突き立てられたままの領主の口元が、またニタリと歪んだ。
その表情にぞっとするソフィーティア。
驚愕と恐怖に凍りついた彼女は完全な隙をさらけ出していた。
その瞬間、領主が握る剣の鍔元から、無数の触手が伸びた。

「ああっ・・これは・・・!?」
驚いている間にソフィーティアの身体は触手に巻き取られ、
まるで操り人形のように宙に浮かべられた。
首、両腕、腹、両脚・・タコに捕らえられた獲物のように全身を絡め取られたソフィーティアは、
もはや動く事も敵わず右手に握っていた剣も滑り落としてしまった。

「これも邪剣の力よ。さあ、良い声で鳴いて見せよ!」
その言葉を合図としたように、ソフィーティアを捕らえた触手は一気にその全身を締めあげた。

「ぅあああーーッ!!!」
全身の骨を砕かれるような激痛に、ソフィーティアは絶叫した。
とはいえ、領主は本当に骨は砕かない様に力をコントロールしている。
領主の目的はソフィーティアを生きたまま捕らえる事に変わっており、
殺してしまわないギリギリの力で痛めつけている。

「あ、ああ、あ・・・・」
やがてソフィーティアの身体はぐったりと脱力していき、
悲鳴も口元へと吸い込まれるように小さくなる。
かくんと顎が沈むと同時に、髪を結えている青いリボンが宙に舞い、
解かれた金色の髪がふわりと風に流れる。
その双眸は固く閉じられ、表情は完全に凍りついた。

「ふむ、気絶しおったか・・貴様は邪剣に仇なす者がどうなるのか、その見せしめとなってもらおう」
邪剣の触手にソフィーティアを捕らえたまま、領主はおぞましい笑みを浮かべた。

かくして邪剣に屈したソフィーティア。
敗北の証をその身に刻まれた彼女の身体は、
夕陽の下十字架に架けられた。
痛々しいその磔姿は領内の者に見える様高い位置に掲げられ、
邪剣に仇なそうとした者の末路を否応なく人々に示していた。

十字架の傍らには処刑人が立ち、処刑用の長槍がソフィーティアの脇下に向けられている。
「白い衣に身を包んだ美しい女の公開処刑・・これは実に良い見世物となろう」
邪剣に魅入られた領主の表情が醜く歪む。
神託を受けた聖剣は、夕闇の中陰ろうとしている。

sophi_hari_R

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一回完成させても、時間が経つと色々直したいところが出てくるものです。
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  1. 2017/08/16(水) 19:14:22|
  2. | トラックバック:0
  3. | コメント:2
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コメント

まさかのダメージ差分、いいですねぇ!
領主の技量に圧倒され蹂躙されるという流れも素晴らしい…
イラストだけでなくSSもついているので妄想が捗りました^^b
  1. 2017/08/18(金) 07:11:55 |
  2. URL |
  3. RPK #AYRMQa7Y
  4. [ 編集 ]

>RPKさん

ありがとうございます!
技量と言うか、邪剣の能力を使っての事なのですが・・w
領主の性別はどっちとも取れるように書いたので、
お好きなほうを想像して下さい!
  1. 2017/08/19(土) 01:08:03 |
  2. URL |
  3. a-ru #NlZ9gfPw
  4. [ 編集 ]

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割と北の方に住む、怪しい地球人です。いわゆるソフトリョナラーというやつです。

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