えー、漫画レビューのカテゴリーって本来はほぼほぼせかつよレビューの掲載のためだけに作ったようなものなんですが、
今回は初めて、同人漫画作品の紹介レビューというものをしてみようかという思いに至り、久々にこのカテゴリーを使用しようかと思います。
それだけ、今回紹介する作品が言ってみれば「個人的な理想に極めて近いものだった」ということなのですが・・
では、前置きはこの位にして作品紹介のほう行ってみましょう。

(表紙画像については著作者様より掲載許可を頂いております)
『四葉の戦姫クローバーローゼ』 著:こえだ商店様リョナ界隈ではにわかに話題になった作品ですので既にご存知、もしくは購入済みという方も多いかもしれませんね。
以下、購入者レビューには書ききれなかった、この作品に対する思いみたいなものをまとめてみました。
言いたいことをなるべく簡潔に、でも言い足りないという形にはしたくない。ということで無駄に長いです。
それでも読んでいただき、もし興味を抱かれましたら是非作品を購入していただきたい!そんな思いでおります。
では、以下レビュー全文となります。
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ごく普通の女の子・空木千咲(うつぎちさき)がある日突然、正義のヒロインとして不思議な力を与えられ、人知れず悪と戦うというあらすじ。
ヒロインである千咲のキャラ付けも変身ヒロインものの王道で、「普段はおっちょこちょいで勉強はあまり出来ないが活動的、そして正義感が強い」
というもの。ある日突然不思議な力を授けられるとして、その状況をすんなり受け入れるにはある程度性格が純粋(悪く言えば単純)である方が展開もスムーズにいきやすい。
変身ヒロインものの主人公にそういう性格が多いのは物語の導入をスムーズにする側面もあるのでしょうね。
主人公の部活がチア部というのも、「活動的で、運動能力が高い」という要素のさりげないアピールになっていると思います。
変身後の姿も変身ヒロインものの王道を外さず、「可愛らしく、健全なエロさがある」というものになっている。
胸の露出は無いけどさりげなく強調しているデザインだったり、スカートからは頻繁にパンチラしたりと、随所にフェチっぽさを感じさせます。
体つきも発育途上の少女っぽさがあって(そういえば、中学生なのか、高校生なのかの言及は劇中でありませんでしたね)、
胸の大きさも「まだ慎ましやかだけど、はっきりとそこにある」と認識させる具合なのがかえってコスチュームと相まってエロい気がしますね。
そして主人公のチア部という設定を活かし、武器にポンポンを使うのも面白い。見た目可愛らしいけど、投げて爆発させたりといった使い方が印象的。
そして大事なのが「どんなに絶体絶命の状況でもあきらめず、健気に立ち向かい続ける」こと。
このひたむきさこそ正義のヒロインとして欠かせず、「痛めつけられても挫けず立ち上がる→逆に言えば立ち上がるたびに痛めつけられ続ける」
という流れを生み出しヒロピン的シチュエーションを絶対的に盛り上げてくれます。
リョナとヒロピンの定義の違い、というものは基本的にあいまいで個々の裁量に委ねられる感がありますが、
個人的にはリョナというのは言葉に「猟奇的」な意味合いを含むため、
流血、肉体の破壊といったグロテスクな描写を含んで時にヒロインの無様さを徹底的に強調する、そこには性的な凌辱の意味合いも含み、
要約すると「正義のヒロインを激しく痛めつけることに主眼を置き、可憐さや凛々しさといったヒロインのアイデンティティに対する破壊行為」
それに対しヒロピンとは、「激しく傷つきながらも可憐さを失わないヒロインの姿に、ドキドキしながら心のどこかで応援する」
つまりヒロインが苦戦する様子に興奮するけど、あまり無様を晒してほしくない。どれだけヒロインが傷ついても可憐さを失わないから興奮するのだというもの。
・・・と個人的には考えており、それが「リョナ」と「ヒロピン」の線引きであると思っています(異論は認める)。
その点、このクローバーローゼでも主人公が徹底的に痛めつけられる展開が続きますが、
主人公の姿は常に可憐で、健気です。爪で引き裂かれる、鞭で打たれるという痕を伴う攻撃を受けても傷跡こそ残りますが、血は流しません。
この辺りも作者様の拘りを感じます(変身解除状態でも傷跡は残る、という部分も拘りだと思います)
そしてヒロピン性癖のもっとも倒錯した嗜好だと思いますが、「ヒロインには一度は敵に負けるくらい追い詰められてほしい。でも最後には敵に勝ってほしい」
その嗜好を一つの作品で満足させるには、ヒロインが苦戦する、一度は負ける、だが最終的には勝つ、という一連のシークエンスを一つに纏めなければなりません。
結果、ヒロインの逆転描写に力点を置いてしまってピンチ描写が散漫になったり、逆にピンチ描写に熱を入れるあまり逆転までのシークエンスに繋げられない(自分はよく後者に陥ります)といった形で作品としてどっちつかずになるケースも見受けられます。
ですがこのクローバーローゼは第1話にして、そのシークエンスを一つの作品の中に纏め上げています。
ヒロインは何度も敵に痛めつけられ、一度は変身解除状態にまで追い込まれる。そこまでの描写も決して散漫にならず、むしろあの手この手でヒロインに苦痛を与え続ける展開でドキドキしっぱなしです。
個人的におススメのシーンは雑魚戦闘員に嬲られるシーン!それまで苦戦しなかった相手に思わぬ形で追い詰められ、良いようにされる様。
サンプルにもあるシーンですが戦闘員の一人に胸を触られ、反撃をするもあっさりすかされて逆にベアハッグでグロッキーに・・
そのあとも一方的に痛めつけられ(攻撃を受けている際の「こんな攻撃受け続けたら・・」というモノローグもいいです)、遂には敵幹部の触手に絡めとられてさらにズタボロ、気絶に追い込まれる・・・
この一連の流れだけでもう、いくらでもイケますね。
そして極限までヒロインを追い込みながら、最後はヒロインは戦う力を取り戻し、敵に逆転勝利を飾ります。
この逆転に至る過程も王道ながら丁寧で、何度敵に倒されても立ち上がるひたむきさを持ったヒロインのキャラクターが良く光っています。
このようにヒロインのピンチ描写に決して手を抜かず、むしろ徹底的にしながら最後はあきらめない姿勢で逆転勝利を掴む・・・
それだけの展開をさせるために総ページ数80ページという、同人の漫画作品としてはなかなかのボリュームを持つ作品となっておりますが、
冗長さを感じさせず読みやすい構成になっているのも良いです。しかもフルカラー!
さて、このクローバーローゼという作品ですが、一冊の中でも一応完結する形になっております。次の話数に繋ごうとする露骨な引きがないためです。
ですが、この作品を読んで自分は「もっと先が読みたい!」と思うようになりました。
ある意味、この1冊だけでヒロピン作品としての要素をほぼほぼ凝縮されていて足りない要素などないようにも感じますが、
それでも「次はこんな展開が見たい!」など、色々妄想させてくれる作品となっています。
本編の後に添えられるエピローグも、効果的に作用しているのかなと思います。ストーリーのネタバレになるので詳細は伏せますが・・
あのキャラが、ああなるのか!という感じです。
幸いにも次話以降の構想もあるとのこと、次のリリースが実に楽しみな作品です!
第1話でここまでのクオリティだと次回以降のハードルが物凄く上がりそうですが、この作者様ならば期待に応える作品を作ってくださるのではないでしょうか!
僕個人敵には磔ピンチとかあると嬉しい・・・!敵も今回はS気の強い女性幹部だったので、レズチックな嗜好を持つ女性幹部とか出てくると嬉しい・・
単に百合好きだから、ですが。主人公の千咲と親友の葵の関係もそこはかとない百合っぽさを感じます!
最後に、著作者であるこえだ商店様の、pixivプロフィールページと「クローバーローゼ」のDLサイトページのリンクを添付します!
こえだ商店様のプロフィールページ:
https://www.pixiv.net/member.php?id=37499466DLサイトページ:
https://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ243703.htmlご興味を抱かれましたら是非!ヒロピン嗜好をお持ちの方には胸を張っておススメできますよ!
※表紙画像の掲載に快く承諾を下さいましたこえだ商店様、心から感謝致します。
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- 2019/02/10(日) 23:22:03|
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